無借金経営のメリット・デメリット
会社を経営するにあたって、多くの場合は銀行から融資を受けて資金を確保していることかと思います。
融資を受けた分、会社の資金は潤沢になるため事業拡大を狙いやすくなる反面、返済や利息の支払いといった問題も出てきます。
それでは、銀行やその他金融機関から融資を受けない『無借金経営』が可能なのであれば、これらの問題も解決するのではないでしょうか?
今回は、多くの経営者が一度は考えたことのある無借金経営のメリット・デメリットについて解説していきます。
無借金経営とは
無借金経営とは、長期借入金がない状態で経営することを指します。
短期借入金も無く、全ての負債が0円である完全な無借金の形はほとんど存在していません。
長期借入金がある場合でも、自社内にそれを大きく上回る余剰金や現金を所持している場合でも、事実上の無借金経営であるとされています。
無借金経営の一種として「名古屋式経営」と呼ばれるものがあります。
これは、その名の通り中京圏に多い経営方法で、非常に慎重な経営方針であることが特徴です。
この名古屋式経営を実践している有名企業として「トヨタ自動車」が挙げられます。
これほどの大企業が無借金経営をしていることは世界的に見ても非常に珍しく、この土地で昔から受け継がれている「会社の存続」と「確実な利益」を追い求めるスタイルが色濃く反映されています。
このような地域性から、東日本・関東圏では広く事業を展開している企業でも、中京圏への進出は遅れる傾向にあったようです。
メリット・デメリット
個人の場合では確かに借金が無いほうが生活は豊かになるでしょう。
しかし、会社経営において無借金はどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか?
メリット
利息が発生しない
無借金経営の1番のメリットとして考えられるのが、利息を支払わなくていいということではないでしょうか?
長期借入や高額の融資を受けてしまうと、利息の支払いも大変高額になってしまいます。
借金返済のために資金を使わなくて済む
経営状態が良い時であれば問題はないでしょうが、資金繰りが上手くいって無い時には借金返済のために資金を工面する必要があります。
多くの場合、返済というのは毎月の問題なので長期的な計画をしっかりと立てる必要があります。
経営者にとって精神的負担が少ない
無借金経営であれば、会社が倒産するリスクも低いですし少しずつでも利益は確実に出るようになるでしょう。
こうなると経営者の精神的な負担が非常に軽くなります。
他の企業から信用してもらえる
上記でも述べたように、無借金経営は倒産のリスクが少なく、利益を確実に出せるようになります。
これは経営者の精神的負担だけでなく、他の企業からの心象にも影響します。
安定している企業ほど信用してもらえるため、そういった意味ではビジネスチャンスが広がっていくかもしれません。
デメリット
機会損失のリスクがある
事業拡大や大量受注など、企業が大きく成長するチャンスはいつ訪れるか分かりません。
こういった咄嗟の機会に対して、手元に資金がなければ投資をすることが出来ず売上を拡大する機会を損失してしまう可能性があります。
金融機関との取引実績が積めない
銀行から借り入れを行い、返済するという実績を積んでいくことは銀行からの信頼を得ることにも繋がります。
いくら無借金経営で上手くいっていることをアピールしたとしても、取引実績のない企業であれば銀行側も対応を渋ることがあるでしょう。
本当に資金が必要で融資を受けたい時にお金を借りられないという問題が発生してしまいます。
以上が考えられる無借金経営のメリットとデメリットになります。
自身の経営ビジョンと比較してみて、無借金経営が理想に近いのであれば実践してみてもいいかもしれません。